
『うるわしの宵の月』は、やまもり三香先生による少女漫画♡
「王子」と呼ばれるほど美しく凛々しい女子・滝口宵と、同じく“王子”と称される先輩・市村琥珀の恋を描いた、ジェンダー観×初恋がテーマの話題作です。
見た目や役割に縛られる窮屈さ――それでも「自分として愛されたい」と望む気持ち。
この物語は、単なる恋愛漫画ではなく、「自分らしくいること」がどれほど尊いかを教えてくれます。
2026年にTVアニメ化も決定し、今まさに注目が集まる『うるわしの宵の月』。
この記事では、主人公・滝口宵というキャラクターを、恋、価値観、成長、自己肯定感という切り口から深く読み解いていきます。
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✅ 市村琥珀

「うるわしの宵の月」滝口宵ってどんな子?

- 高校1年生の女の子
- 高身長でスラッとした体型、低めの声、凛とした顔立ち
- その見た目と立ち居振る舞いから、学校内外で「王子」と呼ばれている
- 父が営むカレー屋でアルバイト中
- 困っている人を放っておけない、真面目で少し天然
- 交際経験ゼロの恋愛初心者
外側だけ見ると、「完璧美人・イケメンポジ・頼れる存在」。
でも宵の本当の魅力は、“王子”のイメージからこぼれ落ちる 不器用さと繊細さ にあります。
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✅ 1巻〜最新刊までのネタバレレビュー総まとめ
「うるわしの宵の月」”王子”と呼ばれることは、誉め言葉だけじゃない
宵は、決して自分から“王子キャラ”を取りにいったわけではありません。
背が高くて、顔立ちが整っていて、動きもスマート。その結果として、「少女漫画のヒーローみたい」「王子」と憧れられるようになってしまった子です。
周りは好意でそう呼ぶけれど、宵の心にはずっとモヤモヤが残っています。
- 「女の子として見られていない気がする」
- 「王子であることを期待されているから、弱いところを見せづらい」
この“期待される役割”に縛られている感じは、心理学でいうロール(役割)と本音のズレによるストレス そのものです。「しっかり者」「頼れる」「クール」など、褒め言葉であっても、“そうでなければならない自分” を強くしてしまうことがあります。
宵はまさにその渦中にいて、「王子」という鎧を着たまま日常を生きている女の子なんですよね。
「うるわしの宵の月」市村琥珀に出会って動き出す、“ただの女の子”としての宵
そんな宵の世界を揺らしたのが、もう一人の“王子”、市村琥珀。
家柄とルックスから「王子」扱いされている先輩で、最初はチャラく見えるけれど、要所でちゃんと守ってくれる人。
彼が宵に向かって言う、
「オレの前じゃ王子じゃなくていいんだからさ」
という一言は、宵にとって “役割解除の合図” になっています。
心理的には、市村は宵にとっての 安全基地(セキュアベース)。「ここなら弱くなってもいい」「頼ってもいい」と感じられる存在です。
だからこそ、宵は少しずつ
- 困ったときに助けを求める
- 嫉妬や不安を見せてしまう
- 「もっと女の子として見られたい」という本音に気づく
というふうに、“王子”ではなく 一人の女の子としての自分 を取り戻していきます。
「うるわしの宵の月」宵というキャラクターの魅力①
強さと弱さが共存する“不器用な優等生”
宵は、典型的な 「頑張るのが当たり前になってしまった優等生タイプ」 です。
- 困っている人を見ればすぐ手を貸す
- バイトも学校も誠実にこなす
- 感情よりも「こうあるべき」を優先してしまう
その一方で、
- 褒められても素直に喜べない
- 恋愛感情の扱い方が分からない
- 自分の“欲”を言葉にするのが極端に苦手
という、愛おしいくらいの不器用さも持っています。
読者が宵に共感してしまうのは、
「ちゃんとしているのに、自信がない」
このギャップに、自分自身の姿を重ねやすいからなんですよね。
「うるわしの宵の月」宵というキャラクターの魅力②
「恋を通して、自分を取り戻していく女の子」
『うるわしの宵の月』はラブストーリーでありつつ、宵にとっては “自己回復の物語” でもあります。
1〜2巻では「王子と呼ばれることへの違和感」や、「女の子扱いされたときの戸惑い」が中心。
3〜4巻では嫉妬や不安を通して、「自分も相手を独占したい」と気づいていく。
5巻以降は
- 神戸旅行で互いの弱さを知り合い
- すれ違いと仲直りを繰り返し
- 文化祭では、皆の前で“特別な人”に選ばれる
という流れで、
「役割の中の私」から
「誰かに愛され、誰かを愛する私」へ
ゆっくりとシフトしていきます。
恋をきっかけに、自分の感情を言語化できるようになっていく宵の姿は、読んでいて本当に胸がじんわりするんですよね。
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「うるわしの宵の月」家族との関係が、宵の恋に与えているもの
宵の家庭は、父のカレー屋を中心にしたあたたかい空間ですが、
その中にも “期待される役割” がありそうだと感じさせる描写があります。
- 看板娘としてお店を手伝う
- お客さんの前ではきちんとしている
- 家族の支えであり続ける
そんな日常の積み重ねが、「自分の気持ちより“役に立つこと”を優先してしまう宵」をつくっているようにも見えます。
だからこそ、市村に向かって
- 「好きって言われてないですから!」と拗ねる
- 「可愛いって言ってほしかった」と内心で思ってしまう
こういう“わがままに近い本音”が見えた瞬間、読者としては思わず拍手したくなるんですよね。
「うるわしの宵の月」これからアニメで宵に出会う人へ
2026年1月から、TVアニメ『うるわしの宵の月』が放送予定です。
宵の声を演じるのは、一宮麗さん。
- 少し低めで落ち着いた声
- でも、ときどき年相応の女の子らしさが溢れる
- 王子モードと、恋するモードのギャップ
このあたりがアニメでどう表現されるのか、今からとても楽しみです。
原作を読んでいる人は、「このセリフ、どんなトーンになるんだろう…」と想像しながら待つのも良し。
まだ読んだことがない人は、アニメ開始前に1巻だけでも読んでおくと、宵というキャラクターの“揺れ始め” をより深く楽しめるはず。

「うるわしの宵の月」宵が教えてくれる、“心の学び”
最後に、宵というキャラクターから学べることを、あえて一言でまとめるなら──
「期待される自分ではなく、“本当の自分”で愛されてもいい」
というメッセージだと思います。
- 強く見える自分
- しっかりした自分
- 王子と呼ばれる自分
それも全部宵だけど、市村の前でだけ見せる“頼りない顔”や“照れた表情”こそ、彼女のいちばん人間らしい部分です。
もしあなたが今、「期待に応えなきゃ」と頑張りすぎているなら――
宵の物語は、「弱い私のまま好きになってもいい」って、そっと背中を押してくれるはず。
「うるわしの宵の月」まとめ:滝口宵という少女の、“王子”から“ただの私”への物語。
アニメで初めて触れる人も、原作でじっくり追いかけている人も、きっとどこかで自分の姿を重ねてしまうはずです。
「うるわしの宵の月」、ぜひ宵の心の揺れに注目しながら読んで(&観て)みてください。
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