
観覧車で気持ちをぶつけ合ったあと、すいれんと川澄は 少し距離を置くこと を選びます。
両想いなのに苦しい。好きなのに切ない。でも、逃げずにちゃんと向き合いたい。
そんな2人の“心が追いつくまでの時間”が丁寧に描かれたのが9巻です。
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「日々蝶々」9巻 あらすじ【ネタバレあり】
観覧車以来、話す機会のないまま水曜日の“帰る約束の日”がきてしまう。来てくれるだろうか、でも会うのが怖い──すいれんの胸は不安でいっぱい。
しかし川澄は、ちゃんと来た。
けれど、沈黙が続き、重たい空気のまま。そこに後平が現れ、空気を察して助け舟を出す。
「言いたいことあるなら言ったほうがいい」
その言葉に対し、川澄は短く、「(観覧車で気持ちは)聞いたよ」と答える。
自分が空手に夢中になりすいれんを寂しくさせていたことを、きちんと認める川澄。しかし後平は、「お前だけの責任じゃねぇだろ」と2人を責めない姿勢を見せる。
その後、2人きりになった瞬間──川澄が静かに問いかける。
「俺とつきあって、楽しい?」
これは、本気で悩んだ人間にしか言えない言葉。すいれんの寂しさを受け止めたからこその、痛いほどの問いでした。すいれんは勇気を振り絞って伝える。
「となりにいて」
川澄は、
「大丈夫。ずっといる」
と答えるけれど、どちらもまだ整理がついていない。
だから2人は決めた──少しだけ、ゆっくり考える時間を持とう と。
◆「日々蝶々」夏祭り──去年と同じ場所で心がまた重なり始める
距離を置いたまま迎える夏祭り。今年も一緒に行くことになり、久しぶりの2人の時間。離れていた間のお互いの出来事を報告し合う中で、川澄は勇気を出してこう言う。
「カッコ悪いけど、寂しかった」
この一言が、まっすぐ胸に刺さる。正直で、不器用で、誠実で…この巻屈指の名台詞。
そこから2人は「お互いをもっと知るためのデート」をしようと決める。
一つ問題を乗り越えたからこそ、絆が前よりも確実に深まっていく。
◆「日々蝶々」すいれん、自分を変えたいと思う──後平との出会い
ある日、すいれんは偶然後平と道場の前で会う。観覧車で言えなかったこと、胸の奥にしまいこんだ不安──弱い自分を変えたいと思ったすいれんは、後平に「強くなる方法」を教えてほしいと頼む。
最初、後平は興味本位だった。「川澄がなんでこの子に夢中なのか知りたい」という軽い気持ち。
だが、震えながらも必死に向き合おうとするすいれんの姿に、後平の中で何かが変わっていく。
すいれんが後平と会ったことを川澄へ伝えると──抱きしめられて、「後平くんに何か言われたら、すぐ言って」と言われる。
本当は行ってほしくない。でも、すいれんの行動を制限するのは違う。葛藤と愛しさが混ざったような、深いハグ。
この時点で“ただの初恋”ではなく、しっかりとした 心の関係 が育っているのが伝わってくる。
「日々蝶々」9巻の見どころ♡
① “距離を置く”という現実的で切ない選択
好きなのに、苦しいから離れる。
その決断がリアルで胸が痛い。
② 「俺とつきあって、楽しい?」の破壊力
川澄の弱さ、誠実さ、男らしさが全部出ている名台詞。
③ 夏祭りで再びつながる2人
「寂しかった」の告白シーンは涙不可避。
④ すいれんの“変わりたい”という成長
恋のためだけでなく、自分のために動き始める姿が美しい。
⑤ 後平先輩の心の変化
興味本位から、尊敬と理解へ。
すいれんの純粋さが誰かの心を動かす瞬間が熱い。
「日々蝶々」まとめ♡
『日々蝶々』9巻は、“好きなのに苦しい”“苦しいのに離れられない”初恋の複雑さが痛いほど丁寧に描かれた巻でした。
観覧車の涙、
距離を置く選択、
夏祭りでの再接近、
すいれんの成長、
そして後平の心境の変化──
すべてが物語を大きく動かす重要なピース。
10巻では、今の気持ちに向き合った2人が、どんな答えを出すのか。ますます目が離せない展開です♡
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