
✽ネタバレあります!ネタバレを望まない方は要注意です⚠️
この記事では、『隣のステラ』に登場する高橋雄大というキャラクターについて、なぜ彼が恋に報われなくても「一番かっこいい男」と感じられるのかを、作中の行動や選択をもとに分析します。
少女漫画には、必ず「選ばれる男」がいる。『隣のステラ』で言えば、誰もが認める主役は柊木昴だ。
人気俳優という非日常性。圧倒的な輝き。ヒロイン・千明が惹かれるのも、物語としては必然だろう。
それでも——
正直に言ってしまうと、私はどうしても、この男から目が離れなくなってしまった。
主役ではない。ヒロインに選ばれてもいない。それなのに「一番かっこいい男だった」と感じてしまう。
高橋雄大。
この記事では、なぜ高橋雄大が“恋に報われなくても成立してしまう男”なのかを、感情ではなく、キャラ心理と物語構造から言語化していこうと思う。
「隣のステラ」高橋雄大は「選ばれない」ことを、最初から理解している男
高橋雄大は、自分が“負けヒロイン枠”ならぬ「負けヒーロー枠」であることを、かなり早い段階で察している。
千明の視線がどこに向いているのか。昴という存在が、どれほど大きいのか。そして、自分がどれだけ「日常側の人間」なのか。
彼は、それを勘違いしていない。
重要なのはここだ。高橋は「気づいていない敗者」ではない。それでも彼は距離を詰めすぎない。踏み込める場面でも、あえて一線を保つ。
これは臆病さではない。現実を理解した上での選択だ。
だからこそ、彼の行動はいつも「逃げ」に見えない。
「隣のステラ」彼が選んだのは「奪う恋」ではなく「支える立場」
高橋雄大が一貫して選び続けているのは、恋を“勝ち取る”立場ではない。
4巻、
昴に突き放され、憔悴しきった千明を彼はバイクの後ろに乗せ、海へ連れ出す。励ますために、元気づけるために、何かを「言う」のではなく、行動する。そして、自分の過去の失恋を語る。
「引きずった」
「死ぬほどつれー」
自分の弱さを差し出すことで、千明の痛みを一段下げる。
撮影現場で、昴と女優のキスシーンを見てしまった瞬間も象徴的だ。
高橋は、千明の視線を手のひらで遮り、「行くぞ」と連れ出す。
ここで彼は、自分が傷つく側に回ることを選びながら、千明を“これ以上傷つけない側”に立っている。この選択を見たとき、私は初めて「この人は、報われなくてもブレない男なんだ」と確信した。
「隣のステラ」昴との対比で見える、高橋雄大の“成熟”
昴と高橋は、優劣で比較される存在ではない。
役割が違う。
- 昴:選ばれる男/非日常/憧れ
- 高橋:支える男/日常/覚悟
昴が「想い合う恋」を担うなら、高橋は「関係が壊れないための安全弁」を担っている。
6巻で、高橋が昴に向けて放つ言葉は、その象徴だ。
「あいつ何かとすぐ無理すんだろ。
俺ほっとかねーから」
高橋は、千明に直接ぶつける前に、周囲に対して宣言する。
「俺は、支える側としてここにいる」と。
これは恋の主張ではない。責任の表明である。
「隣のステラ」それでも高橋に惹かれてしまう理由
高橋雄大が「かっこいい」のは、報われない立場にいながらも、その不遇を他人のせいにせず、自分の感情として引き受けているからだ。
――「報われなさ」が生む色気
高橋雄大の魅力は、感情を持たないことではない。
むしろ逆だ。
彼は、引きずり、苦しみ、感情が溢れそうになる。それでも、それを相手にぶつけない。
7巻の告白は象徴的だ。
「付き合ってほしい」ではなく、「俺はお前のことが好きだ」という事実の提示。
逃げ道を塞がない。答えを強要しない。
そして、好きな子が別の男に会いに行くとき、そのために足(バイク)を出す。
ここまで来ると、「優しい」という言葉では足りない。
これは、自分の感情を、自分で引き受ける覚悟だ。だから高橋は、「かわいそうな男」にならない。
「隣のステラ」高橋雄大:まとめ
高橋雄大は、ヒロインに選ばれなかった男ではない。
選ばれない立場を理解した上で、それでも“かっこいい役割”を選び続けた男である。
奪わない。
縛らない。
邪魔をしない。
それでも、見捨てない。
この選択を一度もブレずに積み重ねてきたからこそ、彼は物語の中で色褪せない。
だから私たちは、主役よりも、最後に彼の名前を思い出してしまう。
高橋雄大は、『隣のステラ』における「報われないけど、かっこいい男」の基準点だ。そしてこの基準は、他作品のキャラクターを読み解くときの、ひとつの物差しにもなっていく。
「隣のステラ」高橋雄大を感情寄りで読みたい方へ
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