
1巻では、男性恐怖を抱える女子高生・天野謡と、彼女を見守るギター職人・戸野田譜(との)の恋が動き出しました。
しかし2巻では、その恋の裏側にある「現実」が描かれます。
恋をしたからといって、トラウマが消えるわけではない。
そんな当たり前だけれど重い事実が、静かに突きつけられる巻でした。
「初恋ダブルエッジ」2巻のあらすじ
1巻のラストで想いを通わせた謡ととの。
しかし、二人の距離はまだぎこちないままです。
謡はとのに触れたいと思うものの、男性恐怖が完全に治ったわけではありません。
少し触れられただけで動揺してしまい、思わず逃げ帰ってしまうこともあります。
一方で、とのも好きな相手に触れることに戸惑っていました。
お互いに気持ちはあるのに、どう距離を縮めていいのかわからない。
そんな二人の関係は、もどかしくも少しずつ前に進んでいきます。
「初恋ダブルエッジ」触れたいのに触れられない二人の恋
この巻で印象的なのは、謡ととのの「距離」です。
恋人同士になったとはいえ、謡の男性恐怖は簡単に消えるものではありません。
自分から触れようとしても、いざその瞬間になると怖くなってしまう。
そして、とのもまた戸惑っています。
好きな相手だからこそ、どう触れていいのかわからない。
二人とも相手を思っているからこそ、慎重になってしまう。
そんなぎこちない恋の距離感が、とても丁寧に描かれていると感じました。
「初恋ダブルエッジ」弟・修平の存在
この巻で重要な役割を果たすのが、謡の弟・修平です。
修平は、事件の前も後もずっと謡のそばで彼女を見てきました。
だからこそ、最近の謡が幸せそうにしていることを喜びながらも、不安を感じています。
謡のトラウマがどれほど深いものなのか。
それを知っているのは、家族である修平だからです。
修平は戸野田に会いに行き、ある事実を打ち明けます。
実は自分は、謡と血の繋がりのない養子であるということ。
そして、これまでずっと謡を守ってきたことを。
そのうえで、修平は戸野田に問いかけます。
「初恋ダブルエッジ」修平の言葉が突きつける現実
修平は言います。
トラウマは簡単に終わるものではない。
フラッシュバックで突然事件を思い出すこともある。
ひどい時には何日も動けなくなることもある。
そして、家族でさえ疲れてしまうことがあるのだと。
この言葉はとても残酷に聞こえるかもしれません。
ですが、それは長い時間そばで支えてきた人だからこそ言える現実でもあります。
「姉とギターは違う。修理なんてきかない」
そう言ったあと、修平は戸野田に問いかけます。
「本当にあなたは姉を大事にできますか?」
この場面は、この巻の中でも特に印象に残るシーンでした。
「初恋ダブルエッジ」トラウマと恋が同時に存在する
この作品を読んでいて感じたのは、
恋をしたからといってトラウマが消えるわけではないということです。
むしろ、誰かを好きになったからこそ、
怖さや不安が強くなることもあるのかもしれません。
謡は恋をしたいと思っている。
でも、男性が怖いという気持ちもまだ消えていない。
そんな矛盾を抱えながら、それでも前に進もうとしている姿がとても印象的でした。
「初恋ダブルエッジ」まとめ
『初恋ダブルエッジ』2巻では、恋の甘さだけではなく、その裏にある現実が描かれています。
恋をしても、過去が消えるわけではない。
トラウマと向き合いながら、それでも人を好きになる。
そんな複雑な感情が丁寧に描かれた巻でした。
謡の頑張る姿を応援したくなり、
戸野田の悩む姿に胸を打たれ、
そして修平の言葉には、ただ切なさを感じました。
この三人それぞれの立場があるからこそ、この物語はとても深いものになっているのだと思います。
『初恋ダブルエッジ』の作品全体について知りたい方はこちら
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