
その恋は、まるで春の薄明かりのように――静かで、やさしくて、そして尊い。
『大正學生愛妻家』(粥川すず先生)は、“触れない愛”をここまで美しく描けるのかと、読むたびに息をのむ作品です。
舞台は大正十年。女中のふきと、かつての坊ちゃん・勇吾。時代のしきたりや身分の壁を越えて、「夫婦」から始まる恋が少しずつ芽吹いていく。
手を差し伸べる代わりに、ただそっと見守る。名前を呼ぶ代わりに、筆で書く。言葉の奥に潜む“想い”の深さに、ページをめくるたび胸がきゅっと締めつけられます。
清く、正しく、美しく。それでいて、確かに熱を帯びている――。まさに大正ロマンの精髄とも言えるこの物語の尊さを、今回はネタバレ込みで徹底レビュー。
最新刊情報や読む方法も合わせて、あなたの心を静かに焦がす『大正學生愛妻家』の世界へご案内します。

大正10年、東京市――。女中としてお屋敷で働く24歳のふきは、帝国第一高校進学のために帰京した橘家の子息・勇吾と再会。婚約が破談となっていたふきは、「嫁探し」を命じられているという勇吾の求婚を受けてしまう。結婚に親の許しが必要だった時代、健気な女中とエリート学生の身分差・年の差新婚生活が始まる。
「大正學生愛妻家」最新刊4巻の発売日は?
現在3巻まで発売されており、3巻は2025年9月22日より発売中です✮
次巻4巻は、2026年2月ごろでは?と予想しております♡ 情報が解禁されましたら、こちらでも随時更新していきますね(*´꒳`*)
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【ネタバレあり】「大正學生愛妻家」の見どころ!

『大正學生愛妻家』のすごさは、恋愛を「感情」ではなく「所作」で描いていること。
- 茶を差し出す手元
- ふきが帯を結び直す音
- 勇吾が外套をかける一瞬の所作
そのすべてが“愛”の形。派手なキスも抱擁もなくても、息づかいと視線だけで恋を伝える。季節の移ろい、和服の色、障子越しの光。「美しい」と思う心そのものが、この物語の恋そのものなのです。
ここからは、巻ごとに「キュンポイント」をまとめてみました(///ω///)♪
第1巻:再会と、夫婦としての第一歩
1巻は、ふきと勇吾、それぞれの過去と立場を丁寧に紐解きながら、ふたりが「夫婦」として向き合うための覚悟を描いた導入編です。
身分や年齢差、家のしきたり、女性の仕事や生き方など、現代では想像しづらい“大正という時代の重み”が背景にあります。それでも、勇吾は迷いなく彼女を選び、ふきはその想いを受け止めようとする。
互いの想いがまだ不器用にすれ違う中、夕暮れの灯に照らされたふきの横顔や、勇吾の一言一言に“誠実な愛の芽吹き”が感じられる一冊です。
清く、正しく、美しく。
それでいて、確かに熱い。
そんな“和の恋”の原点がここに。
第2巻:恋の自覚と、歩幅を合わせる日々
2巻では、ふたりの心がようやく“夫婦”として動き出します。お互いを思うあまり、どちらも少し頑張りすぎてしまうのが、また尊い。
勇吾は「自分の選んだ道を後悔させたくない」と奮闘し、ふきは「妻として、でも年上の自分として恥じないように」と気負ってしまう。それぞれが“相手のため”にと頑張る姿が、胸にじんわり沁みます。
そして――終盤。
ふきのちょっとした“勘違い”から、ふたりの距離が一気に近づく展開が…!
手を伸ばす一歩手前の空気が、
こんなにも甘く切ないなんて。
ここは絶対に見逃せません。
2巻は「初めての恋に戸惑う夫婦の青春」が詰まった、まさに“心がじゅわっと溶ける”巻です。
第3巻:恋が愛に変わる季節
3巻では、ふきと勇吾の関係が確信と安定へ。互いを想う気持ちが、やっと“夫婦の愛”として実を結びます。
ふきの意外な特技が披露される場面や、ふたりで新しい世界に踏み出していく描写は、読んでいて自然と笑顔になれる爽やかさ。そして、ふきが周囲からも「奥様」として認められるようになり、彼女自身の成長も感じられる、心温まる展開が続きます。
けれど、勇吾の胸の奥にはまだ小さな“気掛かり”が――。
その影が、これからのふたりにどんな試練をもたらすのか。
穏やかな日々の中に潜む小さな波紋。
次巻への期待が止まりません…!
どの巻にも共通しているのは、派手さではなく、静けさの中にある情熱。
ふきと勇吾の“慎ましい愛”は、まるで古い文机にしまわれた恋文のように、時を経ても色あせることなく、静かに輝き続けます。
「大正學生愛妻家」まとめ
ふきと勇吾の恋は、派手ではありません。けれど、読めば心の奥にぽっと灯がともります。
“清く正しい”という言葉の裏にあるのは、誰かを想うことの“強さ”と“やさしさ”。
手を重ねなくても、想いは届く。
言葉にしなくても、愛は伝わる。
そんな古き良き日本の恋のかたちを、現代にそっと蘇らせてくれる作品です。
どうか一度、この美しい夫婦の物語に触れてください。あなたもきっと、「大正學生愛妻家が尊い…」と呟いてしまうはずデス(///ω///)♪




